腰痛症・ぎっくり腰の治療症例

症例19:起床時から起こった腰痛、腰を曲げてしか歩けない

患者

40代 女性

来院

2018年 7月

症状と来院理由

起床した際に、腰に違和感を覚えた。それから徐々に腰が痛くなり腰を真っ直ぐに出来なくなり、歩く際も腰を曲げたまましか歩けない。この状態では生活に支障が出る為、仕事の休み時間に来院歴のある当院に電話で予約を取り、仕事後の夜に来院された。

★解説イラストは裸モデルを使用していますが、実際は衣服は着用しています。

治療内容と経過

腰はやや曲げた状態から伸ばすことが出来ない。ベットにうつ伏せになっていただき腰の触診をしたい所であったが、そうすると腰が伸びてしまい痛むので、立った状態で触診をした。腰の痛む場所と触診から、臀部のツボに鍼をするとやや腰を伸ばすことが出来るようになる。

次に仰向けで足の甲のツボに鍼をした状態で10分休んでいただき、もう一度立っていただくと、真っすぐ立てるようになった。

ここで痛みの出る動きを確認すると、腰を反らす動きで痛みが出る。腰の痛む個所を確認し、膝裏のツボに鍼をするとかなり反らせることが出来るようになったのでこの日の治療を終えた。

2週間後に来院され腰にやや違和感が残っていたが、治療後にはその違和感もなくなっていたので、治療終了とした。

使用した主なツボ

大臀L・R 中腰L・R 玉天R

通院期間及び治療回数

治療期間:2週間、治療回数:2回

まとめ

今回の起床時から痛くなった腰痛は、何かをやった拍子に痛めた訳ではなかった。だが問診で、仕事で長時間座位と帰宅後は、家事で前屈みの姿勢が多かった事が分かった。そこから触診がしっかり出来ない状態だったが、ある程度の治療の手順がイメージできた。改めて問診の重要さに気付かされる症例であった。

症例18:腰の鈍痛から、物を持ち上げて痛みが強くなった腰痛

患者

60代 男性

来院

2018年 6月

症状と来院理由

以前から腰の鈍痛があり、来院時の昼頃、しゃがんだ状態から物を持ち上げた際に腰に痛みが走った。それから腰の痛みが続いているため、当院への来院歴のある奥様の紹介で急遽来院された。

★解説イラストは裸モデルを使用していますが、実際は衣服は着用しています。

治療内容と経過

腰の症状は左右同じくらいとの事で触診をすると、全体に強い緊張が見られたが右側の方が緊張が強い。痛む動作があるかチェックすると、腰の伸びとかがむ動きにやや違和感がある。

臀部・仙骨・下腿のツボに鍼を刺したまま暫く休んでいただき再び腰を触診すると、強い緊張がほぼ無くなる。腰の伸びやかがむ動きをしていただいても違和感はなくなっていたが、ほんの少しまだ腰が重い感じが気になるそうで再び腰を触診し、肩のツボに鍼をすると、気になる腰の症状はすべて無くなったので治療終了とした。

使用した主なツボ

委中R 大臀R 上髎R 肩稜R

通院期間及び治療回数

治療期間:―、治療回数:1回

まとめ

痛めた当日に治療できたのが早期改善に繋がったが、腰の全体の緊張を1つのツボで広い範囲で緩めた事も大きかった。

症例17:腰痛・臀部から下肢のしびれ

★この治療症例は、神経痛・しびれの治療症例6と同じものです。

患者

50代 女性

来院

2018年 6月

症状と来院理由

5月半ば頃から腰・臀部・下肢にかけて痛みがあったので整形外科へ受診し、X線・MRIの検査をしたら椎間板ヘルニアと腰部脊柱管狭窄症が見つかった。リリカとロキソニンを処方されて、週1~2回整形外科のリハビリに通っていたが症状に変化が見られなかった。当院へ通院歴があり電話で予約を取り来院された。

★解説イラストは裸モデルを使用していますが、実際は衣服は着用しています。

治療内容と経過

痛みの個所を正確にするため触診すると、左の腰・右の臀部から大腿にかけて圧痛及び痛みがあることがわかった。動きでは腰の後屈でやや痛みが出る。この中で一番気になる症状は、右の臀部から下肢の痛みとの事。

まず下腿のツボに2本鍼をすると、臀部の緊張がゆるみ圧痛が減る。次に膝裏のツボに鍼をすると、腰の後屈が楽になった。

ここでも一度触診をし、頭と首と背中のツボに鍼をし治療を終えた。

以上の治療を10日後にすると、ほぼ症状が無くなったので治療終了とした。

使用した主なツボ

足三里R 豊隆R 委中L 脳戸 上天柱R 風門R

通院期間及び治療回数

治療期間:10日、治療回数:2回

まとめ

この患者さんは主訴以外にも自律神経症状があり、メイラックス錠・ロフラゼプ錠等を服用していた。自律神経症状を調整する為には呼吸の整える事が必要と判断し、触診を丁寧に行い関係するツボを使えたことが早期の改善に繋がった。

症例16:立っていると痛みが出る腰痛と腹部の違和感

患者

60代 男性

来院

2018年 6月

症状と来院理由

6月になってから、仕事で立っている時間が長くなると左の腰に痛みが出てくるようになる。酷い時には腰から下肢にかけて症状がある。お腹の調子もあまりよくないので内蔵から症状が出てきていると心配になり、以前奥さんが当院に通院していた為、奥さんからの紹介で来院された。

★解説イラストは裸モデルを使用していますが、実際は衣服は着用しています。

治療内容と経過

立っていて腰が痛みだすのは2時間くらい経過してとの事なので、この場では再現ができなかった。痛む動作がないか確認すると、前屈・後屈で腰痛の症状がみられた。お腹も気になってみえる為腹部を触診すると、上腹部に違和感がある。

お腹の違和感の調整の為ふくらはぎのツボに鍼をして、数分後再び腹部を触診すると、押さえた際の違和感が激減。この時点で腰も軽くなったと患者さんは言ってみえるが、更に良い状態にするため、左の大腿裏のツボと膝のツボに鍼をすると、前屈・後屈の痛みが全く無くなったので治療を終了とした。その後痛みが再発したら連絡いただくようお伝えしたが、連絡はないため完治したと思われる。

使用した主なツボ

築賓L 殷門L 委中L

通院期間及び治療回数

治療期間:―、治療回数:1回

まとめ

現在の立ち仕事が16年続いているそうで、下肢の緊張から腰及び腹部の症状が出た症例。腰の痛みと下肢の緊張は密接な関係があり、また腹部の症状も下肢の緊張と密接な関係がある。今回の症例ように患部の腰や腹部に鍼や灸をするのではなく、原因点の下肢の緊張にアプローチできた事が、1度の治療で完治することが出来た。

症例15:畑作業後からある腰痛

患者

60代 男性

来院

2018年 4月

症状

来院前日に畑仕事をやり、畑を起こす作業や物を持ち上げる事が多かった。その後から腰痛があるとの事。その話を当院に来院歴のある方が聞いて心配され当院を紹介されて、電話で予約を取られて来院された。

治療内容と経過

痛みのある場所は、腰の下部で中央辺りが痛む。どのようにすると痛むか動作チェックをすると、腰の後屈は全くできないのと、前屈から腰を起こし伸びきる直前位から腰が痛む。

痛みの動作から腰椎・胸椎を確認し、下腿のツボと手のツボに鍼をすると、腰の後屈動作に問題がなくなる。

ここでもう一度痛む動作があるか確認すると、腰をねじる動きでやや痛みがあったので、下腿のツボに鍼をすると痛みが消失し、痛む動作も全くなくなったので治療を終えた。

使用した主なツボ

玉天R 後谿L 光明L

まとめ

畑作業で、下肢の踏ん張る作業が多いことから起きた腰痛の症状。軽いぎっくり腰症状だったが、症状が出てから治療までが早かったのですぐに完治することができた。治療をせずにこのまま放っておくと悪化しそうな症状だったので、賢明な判断だったと思う。腰痛に限らず、早期治療が完治への近道である。

症例14:暫くかがんでから立ち上がると痛む腰痛

患者

60代 女性

来院

2018年 4月

症状

1ヶ月程前から、暫くかがんだ姿勢から立ち上がった際に左の腰から殿部周辺が痛むようになり、なかなか症状が治らない。少し前くらいからは左の膝が散歩に行くと違和感がある。当院の来院歴のある方が電話で予約を取り来院される。

★解説イラストは裸モデルを使用していますが、実際は衣服は着用しています。

治療内容と経過

痛む動作は、上記の他には特には無い。場所を細かく確認する為に腰の触診をすると、左の仙腸関節辺りがやや圧痛がみられる。膝痛の反応のツボにも圧痛がみられた。

圧痛の箇所から背中のツボに鍼をすると、症状が6割ほど改善。手のツボと、膝の調整の為殿部のツボに鍼をすると腰の症状はほぼ消失。念のため腰をもう一度確認し、1ヶ所気になるところがあったので手のツボに鍼をして、腰が緩んだのを確認し症状が完全に消失したので治療を終えた。

使用した主なツボ

T1(1.5)L 後谿L 膝根L 精霊L

まとめ

患者さんに話をしてる中で、数ヶ月前から長い時間車での移動する機会が増えたとの事だった。座位の姿勢で殿部を圧迫された事により起こった症状だった。1ヶ月我慢していた症状が一度の治療で完治でき、患者さんの喜んでみえる姿を見ることがこちらとしては何よりうれしい。

症例13:ぎっくり腰が治りきらない腰痛。

患者

30代 男性

来院

2018年 4月

症状

来院の1週間前にぎっくり腰をして、数日は寝返りなど動作にかなり痛みを伴っていたが徐々に治まってきた。だが未だに腰の痛みがかなり残っていて、腰の痛い方の足を引き上げたり、腰を曲げる動作で左の腰から殿部辺りにかけて痛みが出る。運動不足の為、腰を痛める数週間前からランニングを始めて左の膝裏の痛みもある。

当院のホームページをみて、インターネット予約から来院された。

治療内容と経過

改めて痛みの出る動作を確認すると、立った状態で左足を引き上げる動作と、前屈動作で痛みが出て、足に電気が走りそうな感じがするとの事。患部を触診すると左の骨盤辺りと膝裏に少し圧痛がある。

腰の動きと、ランニングをされた影響から下肢に問題があると考え、左の大腿裏のツボに鍼をすると前屈痛が10→4くらいになる。腰の筋緊張の箇所を改めて確認し、緊張箇所と引き上げ動作の症状から、足の甲のツボに鍼を刺したまま数分休んでいただくと腰の筋緊張がなくなり、足の引き上げ動作の痛みが消失。前屈痛を更に改善させるため、下腿のツボに鍼をすると、前屈痛も消失した。

この時点でどの動作でも痛みは無くなったが、膝痛の調整の為、殿部のツボに鍼をして治療を終了とした。

使用した主なツボ

殷門L 中腰L 玉人L 膝根L

まとめ

下肢の緊張と腰の動きの関係はかなり深い関係があり、前屈・後屈・ねじり等、様々な動きと連動している。今回はランニングによって、下肢の緊張から起こった腰痛と、原因をしっかり見極めた事が早期の完治に繋がった。

症例12:原因がはっきりしないぎっくり腰。

患者

40代 女性

来院

2018年 2月

症状

数十分バスに乗っていて、降車して歩き出すと左の腰に違和感を覚える。その後徐々に痛みが強くなり、腰全体がズキズキ・シクシクしだして次第に動けなくなる。翌日が日曜日だったので、1日安静に過ごしていたが痛みは変わらなかった。

翌日になっても痛みに変化が無いので、急遽電話で予約を取り来院される。

治療内容と経過

痛む場所は腰全部との事だが、細かく探るとやはり最初に違和感があった左腰下部から殿部にかけてが強かった。動きで痛みがあるか確認すると、前に倒す動作は問題ないが、腰が伸びきる直前くらいから後ろ反らしが痛くて出来ない。

やや炎症性の症状と動きから胸椎に問題があると考え、手のツボに鍼をし数分休んでいただくと、最初より腰が伸ばしやすくなるが、まだ反らす動きが怖いので下腿のツボに鍼をすると、反らす動きが怖くなく出来るようになる。

この時点で痛みの場所を確認すると、腰下部と骨盤の境目辺りの奥に痛みが残る。そこから殿部のツボと足の甲のツボに鍼をすると、来院時の痛みを10とすると2くらいまで減ったので治療を終了とした。

1週間後に来院され、やや残りの痛みがあったので同様の治療で完治した。

使用した主なツボ

後谿L 玉天L 大殿L 大腰L

まとめ

原因がはっきりしないぎっくり腰だったが、この患者さんは元々冬に弱く寒さから体が強張っていたことに加え、バスに乗っていた時の姿勢や、降車する際の段差で負担がかかった可能性がある。原因がはっきりしていた方が治療しやすいのは言うまでもないが、原因が分からなくても動きの問題から原因が特定できる

症例11:バケツを持った際におきたぎっくり腰

患者

30代 男性

来院

2018年 1月

症状

来院日の前日に水が一杯入ったバケツを持ち上げた際に左の腰に痛みが走り、その直後から腰が痛く真っ直ぐに体が起こせなくなる。徐々に痛みが増してきて、歩くのも困難になり1日横になっていた。翌日も痛みが引かず、体をくの字に曲げたままでしか歩けない状態で、定期的に来院中の方が急遽「ぎっくり腰になった」電話でと予約を取り来院される。

治療内容と経過

まず患部を確認すると、かなり圧痛があり軽く触っただけでも痛みがあった。色々と動きに制限があり一番気になったのは、体をくの字にしたままでしか歩けない状態だったので、腰椎を確認し下腿のツボに鍼をすると、まだ腰はしっかり伸ばせないが、くの字の状態ではなくなる。

次に一番強い圧痛ポイントを緩めるために臀部のツボに鍼をし、圧痛が減ったのを確認。

ここで動きを再び確認すると、腰が伸びきらないのと腰のねじり動作がしづらかったので、胸椎を確認し手と下腿のツボに鍼をすると、普通の姿勢で動けるようになった。

仕上げにバケツを持つ動作で痛めた事から肩甲骨を確認し、肩のツボに鍼をし治療を終えた。

12日後に来院された際に確認すると、前回後から数日でぎっくり腰の症状は治まったとの話が聞けた。

使用した主なツボ

玉陽L 大殿L 後谿L 光明L 肩稜L

まとめ

重いバケツを持ち上げた際に姿勢が悪かったために、肩甲骨・胸椎・腰椎・殿部に負荷がかかりおこったぎっくり腰の症状。更にその作業は雪が積もっていた外での作業だったそうで、寒さから体が固まり、余計に連動がスムーズにいかなかった為だと考えられる。

今シーズンの冬は例年にも増して寒いので、体調がよくない方が少なくない。

症例10:雪道で転倒し腰を強打してから、腰が痛く動きづらい

患者

50代 男性

来院

2017年 12月

症状

千葉県から出張で名古屋市に来ていて、1週間前に岐阜県の高山市へ泊まりで出張へ行っていた際に、雪道で滑って転倒し、左の腰から臀部を強打した。その際に、打撲したところに機械をぶら下げていて、転倒時に余計に食い込んだ感じがした。直後から激しい痛みに襲われたので骨折を疑い、整形外科へ受診しX線検査をしたが、骨折はなかった。痛み止めの薬と湿布薬を処方されたが、一向に痛みが引かなかった。2日後からまた高山市へ出張があり、このままでは仕事にならない為少しでも痛みが引けばと思い、過去に鍼灸治療で腰痛が改善した経験を思い出し、ネットで検索し当院へ来院された。

治療内容と経過

痛みの箇所を確認すると、腫れは無いが圧痛がある。腰の動きを確認すると、前屈・ねじり動作で痛みが強く出る。ベッドへ横になる動作、着替えでも「いてて…。」と声を出してみえてかなり辛そうな様子。

まず、打撲した箇所に炎症の残りがある可能性も否定できないため、消炎目的で手のツボに鍼をして10分休んでいただいた。その後圧痛があった箇所を確認すると、やや圧痛が減っていた。

次に前屈動作が殆ど出来ない状態だったので、前屈動作の連動している反応点を確認し大腿裏のツボと下腿のツボに鍼をし再び前屈動作をすると、膝までも届かなかった前屈がスネの中央辺りまで届くほど前屈が出来るようになった。

更にねじの動作を改善させるため、下腿のツボに鍼をするとねじり動作がしやすくなる。

ここで現在の症状を確認すると、腰上部が気になるとの事だったので下向きで寝ていただき腰の気になる所を確認し、下腿のツボに鍼をし数分休んでいただき、仕上げに腰に鍼をした。

まだ動作時に痛みはあるが、治療前と比べて可動域はかなり改善できた。また、治療後の着替えの際は声を出さずに普通に着替えてみえたので状態は随分良くなったと思われる。

使用した主なツボ

後谿L 殷門L 玉人L 光明L 委陽L 三焦兪L

まとめ

転倒と更に打撲箇所に機械があり、その機械が食い込んだ事により症状をより悪化させてしまった。鍼をした殆どが下腿のツボだったことから、転倒の際に足も同時に打撲かひねった可能性が考えられる。

電話予約の際に、「雪道で転倒して腰が痛い」と聞いてある程度の予測はしていたが予測していたより状態が悪く、お断りしようか迷う状態だった。だが諦めずに治療をし、完治とはいかなかったが、ある程度状態を良くでき安心できた。ただ、患者さんの状態によってはお断りをしないといけないような状態の方もあるはずなので、しっかりと見極める様心掛けたい。

症例9:正座の姿勢から立ち上がる際の腰痛

患者

70代 女性

来院

2017年 8月

症状

毎月1回当院へメンテナンスで来院中の方が、来院日の1週間前から腰が痛むとの事。正座を長時間した後に立ち上がると腰が伸びにくく、違和感がある。

治療内容と経過

他に気になる動作はないか確認したが特にはないとの事。動作から胸椎に問題があると考え、胸椎の反応を確認し手のツボに鍼をした。更に腰の深い筋肉にも問題があると考え、その筋肉の入り具合をチェックすると、やはり片方が陽性だったので、足の甲のツボに鍼をした。

本来は症状が出る動作確認をするべきだが、長時間正座をした後でないと症状が出ないので、今回の治療を終えた。

約1ヵ月後に来院され状態を確認すると、前回治療から症状は半分になったそう。同様の治療をし、更に1ヵ月後には症状は完治したとの事。

使用した主なツボ

後谿L 大腰L

まとめ

長時間の正座で、腰の深部から仙骨に負荷がかかったために起こった腰痛であった。長時間の姿勢維持は正座に限らず、他の姿勢でも起こりうる症状である。原因となる箇所を的確に判断できれば、少ない鍼でも完治できる。

本来は治療間隔が近い方が短期間で完治できるが、この患者さんは今回の症状を「歳だから」と半ば諦めてみえたので、無理には治療間隔を狭めず、いつものメンテナンスに付け加えといった感じの治療であった。

症例8:かがむ動作で起こったぎっくり腰

患者

40代 女性

来院

2017年 11月

症状

来院の1週間前に、ふとかがんで腰に痛みが走る。特に左側が痛む。安静にしていて徐々に痛みは引いてきたが、2日前から急に痛みが増してしまう。当院の看板を見て来院された。

治療内容と経過

<1診目>

腰は前屈・ねじり・歩行の動作が痛みが出る。また座っていても痛みがある。仕事内容を確認すると、立ったままでの作業がかなり多い時間をしめ、座って足を動かす作業もあるとの事。

まず左足のツボに鍼をして前屈を確認すると、前屈がかなりしやすくなる。次に腰の痛みのある場所を押して圧痛があることを確認し、膝のツボに鍼をしてそのまま10分休んでいただく。その後圧痛の場所を確認すると、先程より圧痛が減った事を確認できた。座って左に重みをかけると痛みが残っていたので、胸椎と臀部に問題かあると考え左のスネのツボと臀部のツボに鍼をしてもう一度同じ動作を確認すると痛みが減ったので、その日の治療を終えた。

<2診目>

3日後に来院され、腰の痛みは残り3割程。じっとしていると右の腰が痛むようになったとの事。痛みの場所を確認し、スネのツボに鍼を2本刺したまま10分休んでいただく。その後右腰を押しても痛みは無かった。他に痛みがないか腰の動きを確認すると、前回と同じ前屈と座位で左腰が痛むので、足のツボと肩のツボに鍼を3本刺し動きが問題なく出来るようになったので治療を終えた。

使用した主なツボ

<1診目> 殷門L 陰谷L 陽輔L 脾柱L

<2診目> 足三里R 上巨虚R 肩参L 殷門L 陽輔L

まとめ

今回はかがむ動作がきっかけで起こった腰痛だが、仕事の立ち作業・座位での足を動かす作業の疲労の積み重ねが原因で起こった腰痛である。腰が悪いとそこが原因と考えがちだが、腰の動きと下肢の連動が乱れ起こる腰痛は少なくない。実際に下肢の緊張は強く、膝も痛くなるとの事だった。

症例7:朝の着替え時に起こったぎっくり腰

患者

40代 男性

来院

2017年 11月

症状

来院の1週間前に、朝の着替えでズボンを引っ張り上げる動作で腰に痛みが走る。その日は1日全く動けずに安静にしていた。その後痛みは徐々に治まってくるものの、前かがみで右腰が痛い。また右腰をかばって生活していたためか、左の腰が徐々に痛くなってきた。

当院の来院歴がある会社の上司から、治療に行って来いと言われ来院された。

治療内容と経過

腰の動きを確認すると、前屈・後屈で右腰が痛む。体を左に倒す動作では左腰が痛む。ベッドにうつむせになっていただき痛む場所を触ってもらおうとすると、右の肩の筋肉が攣ってしまわれた。この事と着替えの動作から、肩と腰の連動が損なわれたと考え、右の肩のツボに鍼をすると前屈が楽になるが、後屈の痛みが増した。腰の反応を確認しふくらはぎのツボに鍼をすると、後屈も問題なく出来るようになる。次に左腰の動きを調整するために左のスネのツボと臀部のツボに鍼をすると、左に倒す動作がかなり楽になるがまだ残りがあったので、腰のツボに鍼をして痛みがなくなったのを確認し治療を終えた。

使用した主なツボ

肩稜R 玉天R 玉陽L 脾柱L 志室L

まとめ

来院時はコルセットをしてみえたが、治療後はコルセット無しでも大丈夫と喜んで帰られた。最近昼夜の気温変化が激しく、寒い時間帯は無意識のうちに肩をすくめ力が入り、そこから肩と腰の連動が損なわれて起こった症状と考えられる。ぎっくり腰というと腰しか原因がないと考えがちであるが、腰の他にも今回のように肩が原因であったり、他が原因である事も少なくない。

症例6:狭い車の後部座席に乗っていておこった腰痛

患者

70代 男性

来院

2017年 10月

症状

メンテナンスで約3週間に1回来院される方が、同期会出席の為に車に乗り合わせて会場まで1時間半くらいの所まで向かった。狭い車でさらに後部座席が狭く、無理な姿勢をしていた。更に振動も伝わってきたとの事。行きはよかったが、帰りの車ももちろん同じ状態だった為か、その後腰痛が出てきた。本人様はぎっくり腰の手前のような感じとの事。3日後には四国のお遍路に行かれるため、何とか腰の状態を少しでも良くして出発したい為に急遽いつもの予約以外で来院された。

治療内容と経過

腰全体が痛いとの事だが、触診すると左側に強い反応があった。腰の動きを確認すると、前屈・左側屈が特に痛む。

左下肢のツボに3本鍼をして動きを確認すると、来院時よりかなり動きやすくなった為治療を終えた。

1日様子を見て痛みが気になる際は、出発前にもう一度治療をしたほうが良い事をお伝えしたら翌日電話があり、痛みが殆ど良くなったのでそのまま四国お遍路の旅に行かれる事になった。

使用した主なツボ

殷門L 玉人L 玉陽L

まとめ

狭い車内で無理な姿勢で腰から下肢にかけて負担がかかって起きた腰痛。症状発症から1日後に治療が出来た事と、普段からメンテナンスで治療していた事が、1度の治療で殆ど改善されたと考えられる。

症例5:ぎっくり腰の再発

患者

50代 男性

来院

2017年 9月

症状

毎年1~2回ほどぎっくり腰になり、常に腰に違和感がある。1週間前立ち上がる際にぎっくり腰になった。暫く安静にしていて徐々に痛みが治まってきたが、今朝から再び痛みが強くなったため心配になり、過去に鍼治療で楽になったのを思い出しインターネットで検索し来院された。

仕事上運転をする機会が多いためか、車の乗り降りで痛みが強く、歩きがぎこちないとの事。また、座っていてもやや違和感がある。

治療内容と経過

他に動きで痛みがでないか確認すると、前屈・中腰・座って腰を伸ばす動きで痛みがでた。痛みは左右差はないとの事だったが、触診をすると左側にやや強く反応が出ていた。

痛みのでる動きから、まず大腿部の裏と膝裏付近のツボにそれぞれ鍼を1本ずつし動きを確認すると、直ぐに前屈が楽になった。

更に動きをよくする為に脛のツボに鍼を2本刺し動きを確認すると、どの動きも来院時よりかなり楽になったため治療を終えた。

痛みは10→1~2くらいになり、その後更に痛みは治まっていくと判断し、調子が悪ければまた治療に来てくださいと伝えたがその後来院はされていないので完治したと思われる。

使用した主なツボ

殷門L 玉人L 玖路L 豊隆L

まとめ

仕事で殆ど運転しているとの事だった為、常に大腿裏面に負荷がかかり、クラッチを左足で操作するので足の負担が多かったために今回のぎっくり腰が起きたと考えられる。

ぎっくり腰というと腰しか原因がないように思われがちであるが、足や手の負荷からも起こる。患者さんの仕事内容も踏まえて治療できたことが、一度の治療で改善したものだと考えられる症例。

症例4:腰を伸ばすと痛み、歩行で足に痛みが出る

患者

70代 女性

来院

2017年 8月

症状

畑仕事を多くしていて、10年ほど前から腰痛がある。ここ2~3年特に痛みがひどく、腰が曲がりだしてよい姿勢をしようと腰を伸ばすと痛みが強く腰を伸ばす事ができない。

数ヶ月前からは歩行の際に、右の大腿部にまで痛みが出るようになり足を押さえながらだと何とか歩ける状態。

この状態を当院来院歴のある知人が見て、一度ダメ元で鍼に行ってこいと言われ来院された。

治療内容と経過

<1診目>

腰の状態を確認しようとうつ伏せになってもらおうとしたが、腰の痛みが強かったため中止し仰向けになっていただく。そのまま手のツボに1本、足のツボに2本鍼を刺したまま10分休んでいただく。

その後再びうつ伏せになっていただこうとすると、今度は腰の痛みが殆どなかったので腰の状態を改めて確認し、そのまま背中のツボに1本、足のツボに4本鍼を刺したまま5分休んでいただいた。

鍼を抜き腰の動きを確認するために立っていただくと、腰の痛みはほぼなく真っ直ぐに立つ事ができた。歩行を確認すると大腿部に少し痛みが残っているが、足を押さえなくても歩けるようになったためその日の治療を終えた。

<2診目>

なかなか都合がつかず、少し間が空き8日後に来院。前回治療から3日くらいは腰の伸びはよかったが、徐々に曲がってきた。右の大腿痛はまだ残りがあるが、あまり足を押さえなくても歩けるようになっている。

<3診目>

5日後に来院。歩行での大腿痛はかなり楽になり、足を押さえなくても普通に歩けるようになる。腰を伸ばしての痛みもかなり楽だが、伸ばした姿勢を維持できない。

今まで腰が曲がっていた影響からか、季肋部が食い込んで違和感がある。

<4診目>

5日後に来院。歩行での大腿痛は治癒したが、腰は伸ばした瞬間に少し痛みがあり、伸ばした姿勢を長く維持できない。季肋部の違和感はやや消失。

<5診目~>

季肋部の違和感は治癒。腰は伸ばしての痛みはあまりないが、腰が硬く伸ばしにくく、伸ばした姿勢を長く維持できない。

現在(H.29.9.20)も約10日間隔で治療を継続中。

使用した主なツボ

<1・2診目>後谿R 大腰L・R 委中L・R 殷門L・R T12(1.5)

<3・4診目>後谿R 大腰L・R 委中L・R 合谷L・R 足三里L・R

<5診目~>後谿R 大腰L・R 委中L・R 足三里L・R

まとめ

現在も継続治療中だが、長年かけて曲がった腰の状態から順調に腰の痛みが減り、曲がった状態が回復している治療症例なので掲載した。

正直、今回の腰痛・大腿痛は治療でよくなると思っていたが、曲がった腰が徐々に伸びてきたのはこちらの想定以上の回復ぶりである。一度腰が曲がってしまうと元の状態に戻る事が出来ないと諦めてしまいがちだが、動きを整えることで状態は回復するといういい症例でこちらも勉強になった。もちろん年齢や状態により個人差はあると思うが、これからも諦めずに治療することが大事である。

症例3:出産後から続く腰痛・膝痛

患者

20代 女性

来院

2017年 8月

症状

6月末に初産後から、今まで無かった腰痛・膝痛が出るようになり肩こりも気になる。症状が悪化していくので整体に行くと、「骨盤がゆがんでいる」と言われ治療を2回受けた。

整体の先生は、骨盤のゆがみはよくなりましたと言われたそうだが症状は全く変わっていなく、当院へ来院してみえたお母さんの紹介で来院された。

治療内容と経過

問診でお聞きすると、腰痛・肩こりはじっとしていても痛み、膝は重みがかかると痛むとの事。

患者さんはじっとしていると痛むと言われたが、念のため動作チェックをすると、腰は体を右に倒した時と後ろに反らす動きで痛みが出た。

首の動作チェックをすると、頭を後ろに倒すと首の付け根に痛みが出た。

また腹診をすると、お腹全体の弾力が無く、いわゆる虚症のような状態であった。

 

<1診目>

まずは腰と首の動きを整えるよう、足に2本、手に1本鍼をして動きを確認すると最初より動きが楽になるが、まだどの動きも違和感がある。

次に安静時の腰痛と肩こりの調整、またお腹の弾力をよくするため、伏臥位で足に左右2本ずつ鍼をしてそのまま7分休んでいただき、次に仰臥位で足に3本鍼をしまた7分休んでいただいた。

最後に膝の調整をするために、両臀部に1本ずつ鍼をした。

状態を尋ねると、来院時よりはずいぶん楽になったとの事。

 

<2診目>

1週間後に来院。状態を尋ねると、腰痛・膝痛・肩こりすべての症状がほぼ治り、声の出かたも初回より張りがあるように感じられた。

ただ今朝から、普段より高い枕で寝てしまった為に肩こり症状が出てしまったそう。

首の動作チェックをすると、顔を左後ろに向く動作で右首に痛み、上を向く動作でも首に痛みが出た。

腹診をすると、前回よりお腹に力が入ってきた感じがするが未だ充分でない。

まずはお腹の状態を整えるよう、足に鍼を3本して10分休んでいただきもう一度腹診をすると、最初よりさらに弾力が出てくる。

次に首の動きを整えるため、手に鍼を2本、背中に1本鍼をし動きを確認すると問題なく動かせれたので治療を終えた。

使用した主なツボ

<1診目>玉天R 玉陽R 裂缺R 委中L・R 委陽L・R 元瑠L 三陰交L・R 膝根L・R

<2診目>三陰交L・R 下巨虚L 六谿R 裂缺L T4(4)

まとめ

出産は女性にとって命がけで挑む大変な事であるので、体力の消耗は相当なもの。

私事になるが、自分の妻の出産後のお腹の状態もやはり張りが無かったのを今回の症例で思い出した。

出産後当然だが直ぐに育児が始まるので、体力が戻りきる前に負担がかかりいろいろな症状を引き起こしてしまう。

整体で「骨盤のゆがみ」と言われ、整ったのに症状が変わらなかった患者さんは相当心配だったと思う。

当院で治療をし症状が治った後でも、「骨盤のゆがみはもう大丈夫ですか?」と患者さんに聞かれたが、筋肉の張力や弾力を整えることによって症状が改善したことをもっと訴えるべきだったと反省したい。

(これは愚痴になってしまうが、何でもかんでも骨盤のゆがみで片付けてしまう整体師にはウンザリしてしまう。

症例2:腰の違和感があった状態から走って痛みが悪化した腰痛 

患者

30代 男性

来院

2017年 4月

症状

朝から腰に違和感があったが、その日は野球の試合があったためそのまま出場。試合中も特に痛みは変わらず、試合後にアスファルトで短めの距離のダッシュを何往復かして、その後腰痛が悪化した。30分くらい運転して、車から降りた時に腰が痛くて伸ばす事ができない。痛めてから3日経ったがなかなか症状が治まらないので四ヵ月ぶりに来院された。

治療内容と経過

痛みの動作と走って腰痛が悪化した事から、背部と足の連動が損なわれていると考え、下腿に鍼を1本して動作を確認したら痛みが消失したので治療を終えた。

残りの痛みがあった場合は連絡してもらうようお伝えしたが、その後は連絡が無いので完治したと思われる。

使用した主なツボ

地機R

 

症例1:腰から仙骨部の痛みから、首の痛みに変わった症状

患者

60代 女性

来院

2017年 3月

症状

1ヶ月くらい前から、腰の下部から骨盤・左大腿後側にかけて痛みがあり、起床時は足底にややしびれ感がある。

特に中腰から腰を伸ばすときに症状が強く出る。

近所の鍼灸接骨院で鍼治療を受けたが効果が出ず、以前に当院へ来院歴があったので、車で一宮市外から約1時間掛けて来院していただいた。

治療内容と経過

<1診目>

背腰部から下肢にかけて強い筋緊張がみられ、動作の症状から胸椎に問題があると考えスネに鍼をすると動きが楽になった。

さらに動作チェックをすると、座った姿勢で腰を伸ばすと痛みが残ったので更にもう一本スネに鍼をして来院時の症状がほぼ消えたので治療を終えた。

<2診目>

1週間後に来院。前回から痛みは半分以下になったが、数日前から腰下部の痛みが左から右へ変わり、それとほぼ同時期に右の首が痛くなり、上を向く動作で痛みが増す。

首の症状の場所から肩甲骨の動きの問題と考え、肩甲骨内縁に鍼をしたら首の症状と同時に右腰下部の痛みも消失し、気になるところがなくなったので治療を終えた。

使用した主なツボ

玖路L 豊隆L T4(4)

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