★解説イラストは裸モデルを使用していますが、実際は衣服は着用しています。
症例
症例3:ペットボトルのキャップを外す際に肘が痛む
患者
50代 男性 岐阜市在住
施術期間及び施術回数
施術期間:5週間、施術回数:5回
症状
1ヶ月半前から右肘の外側が痛むようになる。ペットボトルを持ち上げたり、そのキャップを外す時にも痛みが出る。整形外科でレントゲンを撮ったが異常はなく、整形のリハビリで電気治療や注射をしたが症状はあまり変わらなかった。マッサージを受けることが好きで肘も診てもらったがやはり症状は変わらなかった。このままだと趣味のゴルフが出来ないので、知り合いから当院の話を聞き、電話で予約を取られ来院された。
施術内容と経過
肘を痛める前はよくゴルフに行ってみえ、癖でかなり強い力でクラブを握っていたそう。右腕から肩甲骨・背中・手の甲の緊張が原因と考えた。実際に触診をするとそれらの部位の緊張があったので鍼をして緩めると、直後から動きや痛みが緩和された。
同様の施術を週1回の間隔で続けると、3回目には日常生活での症状は出なくなり、4回目には久しぶりにゴルフに行くことが出来た。5回目にはゴルフの直後に来院され、腕の疲労感のみの症状だったので施術を終了した。
使用した主なツボ
ふくら3R ふくら2R T4(2.5)R 裏宮R 六谷R
まとめ
今回の症例はゴルフに頻繁に行き、クラブを強く握りすぎて背中から上肢の緊張が原因で起きてしまった。スポーツをする際、力を入れすぎると筋肉や関節の動きが悪くなり、かえってパフォーマンスが落ちてしまうことが少なくない。その中でも特に手首や足首の柔軟性が重要で、そこが硬いとケガもし易くなってしまう。
症例2:腕の曲げ伸ばし・手を握ると肘の外が痛む
患者
40代 男性 一宮市在住
施術期間及び施術回数
施術期間:1週間、施術回数:2回
症状
2ヶ月ほど前にゴルフの練習に行き、クラブを強く握りスイングしていたら徐々に左肘外の骨の辺りに違和感を感じる。そのまま練習を続けていたら更に痛みがひどくなり切り上げた。放っておけば自然に治ると思いそのまま放置していたが痛みは全然引いてこなかった。当院への来院歴がある方の紹介で来院された。
施術内容と経過
<1診目>
肘痛は手の指を握る動作で肘に痛みが走り、肘を曲げる動作でも痛む。また起床時は肘の痛みが強く、肘の曲げ伸ばしがほとんどできず固まっている状態で、起床後数時間経って通勤後くらいからようやく動かす事ができる状態。
体を状態を探ると、肘の外側と関連のある場所に強い圧痛があった。また自覚症状はないが、左の肩のこりが目立った。
まず肩甲骨にあるツボに鍼をして肘の痛みを確認する為に、手を握る動作をしていただくと、先程より指が強く握れるようになる。もう1本肩甲骨にあるツボに鍼をすると、更に指が強く握る事ができ、肘の曲げる動作もスムーズになる。
次に腕の緊張と肩こりを緩める為に前腕のツボに2本鍼を刺したまま10分休んでいただき確認すると、肩こりが緩み肘の動きがかなり楽になったのでその日の施術を終えた。
<2診目>
5日後に来院。起床時の肘が固まる症状は翌日から出なくなる。指を強く握ったまま肘を曲げると痛みが出るが、前回時よりは全然痛みは少ないとの事。
状態を確認すると、まだ肩甲骨にあるツボに圧痛があり、肩こりと首のこりが見られた。前回同様、肩甲骨にあるツボに2本、背中のツボに1本腕のツボに1本、前腕のツボに1本、足のツボに1本鍼をして症状はほぼ無くなったので施術を終えた。
使用した主なツボ
<1診目>ふくら2L ふくら4L 四瀆L 外関L
<2診目>ふくら3L ふくら4L 厥陰兪L 四瀆L 漏谷L
まとめ
肘の外側上顆は肩甲骨は連動していて、やはり肩甲骨に強い圧痛があった。症状的にはいわゆるテニス肘であるが、肘が痛いからといって患部ばかりを施術してもなかなか効果は出ない。病名・患部ばかりにこだわらず、体全体をみて施術できたことが早期での改善に繋がった症例。
症例1:ボールを投げると肘の内側が痛む(野球肘)
患者
10代 男性 揖斐郡池田町在住
施術期間及び施術回数
施術期間:-、施術回数:1回
症状
私の高校時の野球部同級生から、小学5年生になる息子さんが肘が痛いと相談を受けた。詳しく聞くと今年の5月頃から、野球のボールを投げる際に肘の内側に痛みがでる。整形外科に受診し骨の変形はないが、野球肘と診断された。しばらく整形外科のリハビリと、ボールを投げないうちに数ヶ月で痛みは治った。
しかし、10月に入ってボールを投げると痛みが再発した。なかなか治らないから鍼施術で何とかしてくれとの事で、岐阜県の池田町からわざわざ来院してくれた。
施術内容と経過
まずどういった時に痛みがでるか確認すると、ボールを離す瞬間に痛みがでる。また日常生活ではどうかと尋ねると、ひどい時は消しゴムで字を消す動きでも肘に痛みがでるとの事。肘を触診すると、腫れ・熱感はとくには見られない。肘の内側を押さえると少し痛みがでる。腕自体は特に筋肉の緊張は見られない。次に肩関節の動きを確認すると、腕を上げる動作が少し上がりが悪い。また肩関節を内旋する動きをする際に肩がスムーズに動かずぎこちない動きが目立った。肩関節の動きと関連が深い首にも反応があった。
そこで肩関節の動きを整えるために、首・背中・腰のツボに鍼を刺してすぐに抜き肩の動きを確認すると、かなりスムーズに動くようになった。
肘自体はボールを何球か投げないと痛みがでてこないのでその日の施術を終え、翌日、2日後と試合があるそうなのでその後経過を教えてもらう事にしてもらう。
使用した主なツボ
C5(1)R T2(1)R T6(1)R 志室R
まとめ
施術の3日後に連絡があり、練習・試合で思いっきり投げても痛みがなかった事を聞いて一安心。ポジションは主に内野で肘痛が出てからは外野をやっていたそう。ピッチャーのような球数を多く投げるポジションでもない事から、ボールを投げる際、体や肩関節に余計な力が入り肩関節の動きが悪くなることで動きを無意識のうちにかばって起きた野球肘だったと思う。
どうしても痛い場所が原因と考えてしまうが、痛い場所が必ずしも原因ではなくむしろ他の場所に原因があるという事を改めて再認識できた症例。今後も局所だけに囚われず、全体をしっかりみて施術をする事が大切である。
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