★解説イラストは裸モデルを使用していますが、実際は衣服は着用しています。
症例
症例5:しゃがんでから出るようになった膝痛
患者
50代 女性 一宮市在住
施術期間及び施術回数
施術期間:1週間、施術回数:2回
症状と来院理由
昨日ふとしゃがむ動作をしてから右膝が痛む。昨夜は常に痛みがあり、夜中も痛く目が覚めるほど。翌日も痛みが続き心配になり、職場で話をしていたら当院を紹介され、電話で予約を取り来院された。
施術内容と経過
動作で膝痛が増すか確認しても特にはない様子。触診で患側の臀部・大腿裏に強い筋緊張が見られた。それらが膝痛の原因と考え、緊張を解くため臀部・腰のツボに鍼をすると、強い緊張がふわっと緩み、直後から膝が軽くなり痛みが消失。
この1回で施術終了でもよかったが、ご本人様が念のためにもう一度施術を受けたいとの事だったので、1週間後に来院。間も膝は良好だったの事。
使用した主なツボ
腰海R 胞肓R 膝根R 腰眼R
まとめ
事務仕事をしてみえる方で、ほぼ1日中椅子に座ってみえるそう。座っていることにより腰臀部の筋緊張が強くなり、しゃがむ動作がきっかけで起きた膝痛の症例。痛めた翌日に施術を開始できた事で早期改善に繋がった。
症例4:以前から膝が痛み、大掃除後から痛みが悪化
患者
60代 女性 一宮市在住
施術期間及び施術回数
施術期間:―、施術回数:1回
症状と来院理由
右膝の内側が去年から痛みがある。2018年5月に整形外科を受診した際に、X線検査で変形性膝関節症と診断をされた。そのまま痛みは引かず12月に大掃除をしてから、痛みが強くなってしまった。当院へ来院中のお母様からの紹介で来院された。
施術内容と経過
どのような時に膝の痛みが気になるか確認すると、正座や、正座を崩した姿勢(膝の内側が伸びる)で痛み及びツッパリ感が出る。歩行・階段では症状はあまり気にならないそう。
触診をすると腰部・臀部・膝裏のツボに強い緊張が見られたため、その箇所に鍼をすると正座が出来るようになったが、内側のツッパリ感が残る。背中の緊張が影響していると考え、背中のツボに鍼をすると、ツッパリ感が無くなった。
改めて膝痛が出るか確認していただくため色々動いていただくと、「今日は痛くないのかな…。」と不思議そうにして痛みが出ていない様子を確認し施術終了とした。
後日お母様が来院された際に状態をお聞きしたら、膝痛は殆ど無くなったとの事。
使用した主なツボ
気海兪R 内眼裏R 膝根R T9(1.5)
まとめ
大掃除をした事によって、背部から腰臀部・下肢に筋疲労がたまって起こった症状。変形性膝関節症と診断を受けると「膝痛=骨の変形が原因」と考えてしまう。もちろん骨の変形は原因の1つではあるが、それ以外にも背部・腰部・臀部・下肢など、あらゆる個所の緊張で膝痛は起こる。緊張を鍼で緩めると、変形性膝関節症と診断を受けた症状でも改善する事は少なくない。
症例3:振り向いた際に「ピキッ」ときた後から痛む膝痛
患者
40代 女性 小牧市在住
施術期間及び施術回数
施術期間:1週間、施術回数:2回
症状
来院の前日に、何かの拍子に振り向いた際に左膝の内側に「ピキッ」とした痛みが走る。その直後から膝に違和感があり、徐々に痛みが増してきた。今朝起きると膝は更に痛み、歩行や階段の昇降にも支障が出るほど。元々首肩のこりで来院中で予約がとってあり、今回は膝の施術をすることになる。
施術内容と経過
膝の痛みは安静時にはないが、動くとどの動作でも違和感がある。特に歩行・階段の昇降で膝全体が痛む。
触診をすると、患側の膝がやや腫れていて熱感がある。まず熱感を抜くために、手のツボに鍼をして10分休んでいただくと最初より熱感が引いていたので、もう5分休んでいただくとさらに熱感が引いた。この時点で、膝の内側に少しだけ熱感が残る。
一度膝の状態を確認する為に色々と動いていただくと、膝を曲げると内側に違和感があり、詰まり感があるとの事。熱感の残りの場所と動きから、膝裏と腰と臀部のツボに鍼をしてもう一度動いていただくと、膝の症状がかなり楽になったので、その日の施術を終えた。
4日後に来院されると、膝の状態は更によくなっていて熱感も無かった。やや残りがあるが生活には支障がないとの事だったので、本来の目的である首肩のこりの施術をした。
使用した主なツボ
後谿L 内眼裏L 気海兪L 膝根L
まとめ
偶然にも症状がでた翌日に予約が入っていて、すぐに施術ができたので1度の施術でほぼ改善できた膝痛の症例。この患者さんは5年以上前に膝を悪くして、整形外科で何度も水を抜いた経験があるので、膝痛に対してナーバスであった。今回の症状で初期の施術の大切さと、鍼施術の効果を伝えることが出来たと思う。
症例2:出産後から続く腰痛・膝痛
患者
20代 女性 一宮市在住
施術期間及び施術回数
施術期間:1週間、施術回数:2回
症状
6月末に初産後から、今まで無かった腰痛・膝痛が出るようになり肩こりも気になる。症状が悪化していくので整体に行くと、「骨盤がゆがんでいる」と言われ施術を2回受けた。
整体の先生は、骨盤のゆがみはよくなりましたと言われたそうだが症状は全く変わっていなく、当院へ来院してみえたお母さんの紹介で来院された。
施術内容と経過
問診でお聞きすると、腰痛・肩こりはじっとしていても痛み、膝は重みがかかると痛むとの事。患者さんはじっとしていると痛むと言われたが、念のため動作チェックをすると、腰は体を右に倒した時と後ろに反らす動きで痛みが出た。首の動作チェックをすると、頭を後ろに倒すと首の付け根に痛みが出た。また腹診をすると、お腹全体の弾力が無く、いわゆる虚症のような状態であった。
<1診目>
まずは腰と首の動きを整えるよう、足に2本、手に1本鍼をして動きを確認すると最初より動きが楽になるが、まだどの動きも違和感がある。次に安静時の腰痛と肩こりの調整、またお腹の弾力をよくするため、伏臥位で足に左右2本ずつ鍼をしてそのまま7分休んでいただき、次に仰臥位で足に3本鍼をしまた7分休んでいただいた。最後に膝の調整をするために、両臀部に1本ずつ鍼をした。状態を尋ねると、来院時よりはずいぶん楽になったとの事。
<2診目>
1週間後に来院。状態を尋ねると、腰痛・膝痛・肩こりすべての症状がほぼ治り、声の出かたも初回より張りがあるように感じられた。ただ今朝から、普段より高い枕で寝てしまった為に肩こり症状が出てしまったそう。首の動作チェックをすると、顔を左後ろに向く動作で右首に痛み、上を向く動作でも首に痛みが出た。腹診をすると、前回よりお腹に力が入ってきた感じがするが未だ充分でない。
まずはお腹の状態を整えるよう、足に鍼を3本して10分休んでいただきもう一度腹診をすると、最初よりさらに弾力が出てくる。次に首の動きを整えるため、手に鍼を2本、背中に1本鍼をし動きを確認すると問題なく動かせれたので施術を終えた。
使用した主なツボ
<1診目>玉天R 玉陽R 裂缺R 委中L・R 委陽L・R 元瑠L 三陰交L・R 膝根L・R
<2診目>三陰交L・R 下巨虚L 六谿R 裂缺L T4(4)
まとめ
出産は女性にとって命がけで挑む大変な事であるので、体力の消耗は相当なもの。私事になるが、自分の妻の出産後のお腹の状態もやはり張りが無かったのを今回の症例で思い出した。出産後当然だが直ぐに育児が始まるので、体力が戻りきる前に負担がかかりいろいろな症状を引き起こしてしまう。整体で「骨盤のゆがみ」と言われ、整ったのに症状が変わらなかった患者さんは相当心配だったと思う。当院で施術をし症状が治った後でも、「骨盤のゆがみはもう大丈夫ですか?」と患者さんに聞かれたが、筋肉の張力や弾力を整えることによって症状が改善したことをもっと訴えるべきだったと反省したい。(これは愚痴になってしまうが、何でもかんでも骨盤のゆがみで片付けてしまう整体師にはウンザリしてしまう。)
症例1:スキーで何度か転倒してから発症した膝痛
患者
50代 女性 一宮市在住
施術期間及び施術回数
施術期間:1.5か月、施術回数:6回
症状
2月下旬、何十年かぶりのスキーに行って3度転倒し、その内一度臀部から尾骨あたり強打した。それから両膝痛が出て歩行を数十メートルするのも困難な状態で、屈伸・階段の昇降で痛みがあり、特に降りるときが痛みが強い。整形外科でX線、CTの検査をしたが異常が無く、湿布・痛み止めを処方されたが全然痛みが引いてこなく日常生活に支障をきたすため、会社の同僚の紹介で来院された。
施術内容と経過
<1診目>
膝周りを触診すると、やや熱感があり少し腫れもあったので、まず炎症を抜く為に手のツボに鍼をした。臀部から尾骨辺りを強打している事から、膝痛が出ていると考え臀部のツボに鍼をし動きを確認したら膝の痛みがやや引いて動きやすくなった。まだ足を曲げた際の痛みが気になったので足のツボに鍼をしたら、曲げやすくなったので1診目の施術を終えた。
<2診目>
前回後の様子を伺ったら、翌日歩行がかなり楽になったのでうれしくて買い物に長時間出かけて歩き回ったら、再び痛みが強くなったが初診の時よりは痛みは少ない。膝の痛みと下肢全体の腫れが気になるとのこと。前回同様の施術とさらに、膝裏のツボを追加した。
<3診目>
歩行・階段の昇降の痛みは大分楽になったが、まだ怖さがある感じで動きがぎこちない。
<4診目~6診目>
歩行・階段の昇降の痛みは問題なくなったが、長時間同じ姿勢を続けていると足が固まるような張るような感じがして痛むとのことなので、背中を確認すると胸椎下部に強い緊張が見られたので背部に鍼を数本し、数回施術したら日常生活で支障が無いまでに回復したので施術を終了とした。
使用した主なツボ
膝根L・R 後谿R 委中L・R 内・外眼裏L・R T11(1.5) T12(1.5)
まとめ
膝を直接打撲して痛めたわけではないが、骨盤と膝の連動からくる典型的な症状だった。膝痛が治まってくるとと同時に下肢全体の症状が出たのは、強い膝痛で症状が隠れていただけで、実際は臀部の打撲の衝撃が腰から背中へ伝わりダメージがあったため、膝痛が消えてきた分症状として気になりだしたと思われる。今後も患部にとらわれず体全体から診る必要があると改めて思った。
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